1. 週末ディナーに添える、ちょっと贅沢な1本
「久しぶりに日本ワインを飲んでみよう」
そう思ったのは、いつものボルドーに少し飽きを感じたからかもしれない。
週末、久しぶりに気合を入れて料理を作ると決め、
少し贅沢な気分を味わいたくて、ワインショップをのぞいていた。
選んだワインは「メルシャン 塩尻メルロー 2018」。
「日本産でこの価格帯?」という驚きとともに、期待感が高まる。
一人で楽しむ夜に、そっと寄り添うような存在になりそうだった。
2. メルシャン 塩尻メルロー 2018とは
長野県塩尻地区で栽培されたメルロー100%。
アルコール度数は13%、価格帯は6,000円前後。
冷涼な土地の特徴を映したエレガントなスタイルで、
スペアリブとパプリカのオーブン焼き、うなぎの蒲焼などの和洋料理と好相性。
著しく成長している日本ワインの可能性を再認識させてくれる1本だ。
3. 味わいとペアリングの妙

グラスに注いだ瞬間、深いルビー色に見惚れる。
ビンテージは2018ながら、縁にはまだ紫色が残っており、
まだまだ熟成する力があると感じる。
軽いスワリングの後にグラスを傾けた瞬間、クランベリーやカシス、そしてスパイスの香りが立ち上る。
口当たりはなめらかで、酸と柔らかなタンニンのバランスが素晴らしい。
中盤から余韻にかけて、ドライで落ち着いた雰囲気が続く。
この日は鴨肉のソテーにベリーソースを添えた。
果実の香りとソースの酸味が見事に調和。
ボルドー好みの人にも刺さる、芯のある味わいだ。
4. 塩尻という土地とメルローへの情熱

塩尻は、火山性の土壌を持ち、特に力強いぶどうを生み出す産地として知られている。
標高は700mと高く、昼夜の寒暖差や収穫前の冷え込みが強いのが特徴。
メルシャンはこの地に自社畑を構え、長年の試行錯誤の末にメルローを磨き上げてきた。
地元の栽培家と協力して、完熟にこだわりながら凝縮感となめらかさが高次元で両立した、
そんな高品質な赤ワインづくりに取り組んでいる。
気候と土壌、そして人の手が見事に調和したこのワインには、
日本のワイン造りに対する真摯な姿勢が詰まっている。